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直さんの言葉が、じんわりと胸に広がっていく。すると、私達のやり取りを聞いていた奏さんが
「恋愛をするのが、悪いことだとは言わないけどね。ただ、俺達はアイドルだから。ファンあっての仕事なんだ。恋愛するなら、絶対に隠し通さなきゃダメなんだよ」
決して怒っているわけでもなく、優しく諭しているだけ。このグループを纏めるリーダーとしての責任感もあるんだと思う。奏さんの言うことは、正論だ。
「奏の言うことは、ようわかるけどなー。そやけど、俺かて彼女ほしいわー」
「リクは、モテねぇよなー」
少し張り詰めた場の空気を、瞬時に和ませるリクさんに、侑輝さんが乗っかると
「侑輝かて、彼女おらんやん!」
「俺が本気になりゃ、すぐ出来るっつーの」
……不毛な言い合いを繰り広げている。
隣にいた直さんが優しく微笑むと
「誰もハルと詩花ちゃんの関係を、迷惑だとは思ってないから、安心していいよ。俺達は味方だから」
ポン…と頭に手を置いて、テーブルへと戻っていった。
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