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ぞろぞろと花火会場に向けて、沢山の人の波が行き来している。少し気を抜くだけで、みんなとはぐれそうだ。 少し会場とは逸れて道を進む。 一本違う道へ入るだけで、人の波も随分と変わるもの。 「ここ、穴場なんっすよ!」 いつも佑くんが見ているという場所にやって来た。人影は疎らで、視界を遮るものもなく、全体が見渡せそうだ。 「へぇ、いい場所知ってんな」 槙さんに褒められて、若干気を良くした佑くんは 「俺、飲み物とか買ってきます!」 そう言って、美憂の手を取る。 「えっ?ちょ…佑くん!?」 強引に手を引かれて連れて行かれる美憂の背中を、心配そうに見つめる私に 「そんな心配しなくても、さすがに今は、佑も何もしねぇよ」
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