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隣には、いつの間にか槙さんが立っていた。
「そう…なんだけど…」
それでも佑くんや美憂の気持ちを知っているだけに、どこか気が気じゃない。
「まあ…告白くらいは、してるかもな」
「えっ!そうなの!?」
「花火大会、好きな女とくりゃ、告ったって不思議じゃねーだろ」
確かに、雰囲気はバッチリだとは思う。
美憂のあの様子じゃ、はっきり言わない限り、佑くんの気持ちには気付かないだろうし…。
「……なるようにしかなんねーよ。人の気持ちなんて、見えねーんだから」
そっと斜め右を見上げると、少し寂しそうな槙さんの横顔が目に入った。
「……槙さんも?」
ハッとして、思わず口元に手をやってみても、もう遅い。横から痛いくらいの視線が降り注いでいる。
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