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気を利かせてくれた屋台のおじさんが、袋をくれたお陰で、二人で何とか持てる食べ物と飲み物を抱えて、みんなの待つ場所へと戻る。 「ねぇ、もう大丈夫だから、手離して」 「だから、嫌ですって」 さっきから、何度か同じやり取りを繰り返しているけれど、嫌。の一点張りで、一向に離す気がない。 「このまま戻ったら、みんなに勘違いされるでしょ!」 「いいじゃないっすか!」 「良くないでしょ!」 賑やかな道から一本違う道へと入って、さっき歩いた道を戻る途中で、ふと佑くんが立ち止まる。 「……どうしたの?」 「……美憂さんは…勘違いされたくない人が、いるんすか?」
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