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小箱の中身を開けると
思わず目を見張る。
やや大きめの三日月の一本簪で、
三日月の下部分に 小さな梅花が飾り…。
「美しやの。三日月の一本簪とは、それも、秘密人の贈り物…なんと、女心くすぐるお方と見ゆる…」
三日月の一本簪を
見つめながら
「三日月…なんだろう…すこし、まえに心にひっかかる…」
十六夜は 何かを思い出そうと
記憶を探り始めた
そして、しばらくして
ハッとして息を飲む
「…まさか、これは…」
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