月の一本簪

7/10
前へ
/17ページ
次へ
まだ季節は五月だろうか 暑さ到来前で、夜なのにまだ風が気持ち良くそよぐ 三日月の晩だった。 源氏は着物の袖口から 金平糖の包みを 凜に見せる 色とりどりの金平糖に 凜は パッと笑顔を見せる 「綺麗な粒々、これなあに?」 「これか、金平糖て言うんだよ。女やガキは好きだよな、こういうの。月翔もこの金平糖が好物でな、食ってみ。甘いぞ」 凜は少量、手に取り口に 入れる。 甘さが口に広がり だんだん落ち着いてきた。
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加