143人が本棚に入れています
本棚に追加
「……ウチのシマで、何してんの」
そこでようやく、香菜と夏樹が待ちかねた長島の声が聞こえた。
「これは長島さんとこの――」
夏樹を襲っていた男たちが、一斉に姿勢を正す気配が伝わってくる。
「長島さんにご迷惑をおかけするつもりはありませんよ。いえね、我々はちょっと別件の用事がありまして」
「ふうん」
「貸した金を返してもらう話をしたいだけなんですよ。借りたものは返す、これは当たり前の話でしょう」
香菜の話だ。
「ちゃんと毎月いくらで支払っていくっていう契約書にハンコも押したのに、元金が減ったら、利息が減っていかないのはおかしいって、この方が屁理屈をこねましてね」
それは支援センターのアドバイスに習った結果だ。
最初のコメントを投稿しよう!