12 プライド

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「おたくら佐々部組だろ。確かアレクローンって言ったっけ」 そこは香菜にも覚えがある。 カードを作るのがとても簡単だった会社だ。 長島が納得した、とうなずきながら、 「この間から続く過払い金請求の裁判のせいで、おたくもう、青息吐息だって? だから、こんな強硬手段に出てきたのかい」 「そ、そんなことはないですが……」 男がしどろもどろになりながら言い訳しようとするのを、 「彼女ねぇ、真面目に返済しようとしていたみたいだから、逆に目をつけられちゃったのか。 この子から上手いこと言って金をせしめるか、それとも風呂にでも売り払って、しばらくはしのぐつもりだったのかい?  本当におたくら、切羽詰ってるんだねぇ」 長島はおかしそうに笑うが、香菜は笑うどころではなかった。 まさか、真面目に金を返していた結果が、そんな風に利用されようとしていたとは! 恐ろしさに震え上がる。 と、 「――でもねぇ」 長島の声のトーンが急に変わる。 「シロウトさんを巻き込んで、ましてやウチの目の前でこの騒ぎだ。 てめえら、寝ぼけたマネしてんじゃねーぞ、あぁ!?」 「ね、寝ぼけてなんか……」 男が言い募ろうとするのを、 「残念ながら、こちらのお嬢さんの借金はウチで一本化するって、おたくの上とも話はついてんだよ。それを今さら横やりか? それがあんたらの流儀かい? それともマジで、ウチにケンカを売るつもりなのか」
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