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困ってるのか、と聞かれれば、めちゃくちゃに困っている。
けれど、これも自業自得だ。
香菜が自分で巻いた種には違いない。
だから、
「ええ。……いえ、大丈夫です……」
幾分、強がりも込めて言ってみたのだが、その拍子にワックスで濡れた男の髪に指がすべって、掴んでいた髪の毛から手が離れてしまった。
そのとたん、勢いつけて香菜の胸に飛び込んでくる男の頭。
「キャッ!」
香菜はつい悲鳴をあげてしまった。
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