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雪が溶けるまで…
柔らかい雪が、曇り空から静かに舞い落ちていた。
女は、窓際でコーヒーを飲みながら
そんな幻想的な光景を眺めていた。
しばらくして、携帯の着信音が鳴った。
連絡に出ると、彼女の表情から
次第に笑顔が消えていった。
会話をしているうちに、コーヒーから
湯気が立たなくなった。
彼女は、電源を切り、雪空を見上げた。
その顔からは、一筋の涙が流れていた。
そして、コートを手に取り
その場を後にした。
やがて、病院にたどり着き、
ある病床へ向かった。
病床で見た顔色は、とても白かった。
雪は止み、晴天に変わり、
それを眩しく照らしていた。
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