第1章

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銀河パトロール艇がワープ航行を終え通常航行に戻ると同時に、多数の無線通信を受け取る。 その通信の全てが、2000年の漂流から帰国の途にある、人物を迎える言葉の通信だった。 「お帰りなさい」 「おかえり」 「帰国をお待ちしていました」 惑星や宇宙ステーションからの通信だけでなく、惑星間を航行中の全ての船舶から、絶え間なく通信が送られてくる。 首都が置かれている惑星の近くで、難破船を迎えの船に引き渡す。 帰還するパトロール艇に向けて、通信がまた多数送られてくる。 「ありがとう、同胞を送ってきてくれて」 「感謝します」 絶え間なく送られてくる通信を受け取りながら、パトロール艇の2人の隊員は同じ事を考えていた。 支部に戻ったら、この新興国家の出身者を、銀河帝国パトロール隊隊員に迎える事を進言しようと。 銀河パトロール隊隊員は、何時遭難してもおかしくない過酷な任務を受け持っている。 それだけに遭難死した者を発見した場合、遭難者の遺体を祖国に送り届ける事を、重要な任務と心がけていた。 しかし大抵の国は、引き渡される遺体を事務的に淡々と引き取り、この新興国家のように感謝の念を表す国は殆ど無い。 銀河帝国パトロール隊隊員は、帝国創世期から銀河帝国に所属している幾つかの国々からのみ、受け付けている。 しかし彼らなら、十分銀河パトロール隊の責務を果たしてくれるだろう。
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