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目覚ましの音で目が覚めて、カーテンの外を見ると、もう太陽がまぶしい。 昨日の天気が嘘のようだ。 あたしはすぐスマホを見た。何も無い。 やっぱり・・・。 いくら空が明るくて快晴でも、あたしの心は今イチ晴れない。 学校に行く途中も拓海くんがいないか探してしまう。 昨日少し話して、連絡先交換して。 ・・・それだけなのに。 昨日からずっと拓海くんのことを考えている。 仲良くなりたいって、そう言われて浮かれてたけど、 からかわれただけかもしれないのに。 学校の正門が見えてきて、あたしはふぅっとため息をつく。 「おはよう」 うしろから突然声がして、振り向くと、拓海くんがいた。 今日の拓海くんは、ちょっと髪の毛が濡れている。 朝お風呂に入ったのかな・・・石鹸みたいないい匂いがふわっと届いて あたしは朝からクラクラしてきた。 たった一日だけど、返事をずっと待ってたせいで 会えて嬉しい気持ちが溢れてくる。 なんで昨日はあれからメッセージくれなかったの? 聞きたかったけど、そんなこと聞けるわけない。 拓海くんはそんなあたしにお構いなしで、とびきりの笑顔をむけてくる。 「花音ちゃん、昨日は連絡ありがとう。」 「ううん・・・こちらこそありがとうっていうか・・・」 我ながら意味がわからない。 「なにそれ。花音ちゃん面白いなぁ」 拓海くんがおかしそうに笑う。 なんだ、気にすることなかったのかな。 男の子だし・・あんまりマメじゃなかっただけ? 「家帰ったらいつもなにしてるの?」 拓海くんが聞いてくる。 「何ってこともないけど、お菓子食べたり、テレビみたり・・・。 拓海くんは、なにしてるの?アルバイトとかしてる?」 答えてて恥ずかしいほど普通だなぁ、あたし。 「俺は・・・そうだな、家にじっといることは少ないかも。 昨日も夕方からバイトだったんだ。」 なんのバイトか聞こうとしたら、 自転車に乗った遠藤くんが通りかかって拓海くんの肩を叩いた。 「拓海!おはよーっ・・・あれっ。」
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