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あたしの顔をびっくりしたように見る。 遠藤くんは前髪を後ろに流したスタイルにしていて、今日はこないだよりも ワイルドな印象だった。 「拓海が言ってた花音ちゃん?」 「あ・・・はい」 「昨日カラオケ来なかったけどあの後拓海と会ったの? そっかそっか。いやーこいつにしては珍しいんだよ。 特定の女の子と仲良くなりたいなんて。」 遠藤くんがもっている魅力を総動員したような笑顔で、あたしを見る。 「花音ちゃんこいつの事、よろしくね」 遠藤くんは早口に喋って、そのまま逃げるように自転車で行ってしまった。 あたしは今言われたことの意味が飲み込めなくて、咄嗟に横にいる拓海くんを見る。 拓海くんは、耳まで真っ赤になって遠藤くんが行ってしまった方をにらみつけていた。 わぁ・・・・真っ赤だ。 こ、これって・・・・・。 あたしが、拓海くんに好意をもってるのを知ってたから、 からかい半分で近づいてきたんだろうって思ってたけど・・・。 この反応は、少しは、期待してもいいのかな。 「ごめんね・・・あいつ。あの・・・気にしないで。ほんと。」 拓海くんが、真っ赤な顔のまま 聞こえるか聞こえないかぐらいの小さい声で言った。 「ううん。・・・・・むしろうれしいっていうか・・・・」 あたしがそういうと拓海くんが噴き出した。 「さっきとコメント同じだよ。花音ちゃん。」 げっ恥ずかしい。 でも、笑ってくれてるから、いいか。 「今日、選択授業でそっちの棟行くんだ。昼前だから、ついでに一緒にご飯食べない?」 もうすっかり涼しい顔に戻った拓海くんが言った。 「うん、わかった・・・・あ、でも」 毎日麻美と2人でお昼を食べてるから、あたしがいなかったら 麻美が1人になっちゃう。 まぁ麻美の性格的には1人でも全然平気なんだけど、さすがに 男の子と一緒に食べるために1人にするのは気が引ける。 「いつも友達と2人で食べてるから・・・」 「じゃあ、みんなで食べる? 遠藤つれてくから、4人で。」 「うんそれなら・・・・」 でも麻美、なんていうかな。遠藤くんのことチャラチャラしてるとか 言ってたしなぁ。 「それなら、平気?」 拓海くんを見ると、ちょっと不安そうな顔をしてあたしの顔を覗き込んでいる。 昨日とは全然違う、からかうような素振りがない拓海くんが 新鮮で、嬉しい。
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