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「うん、大丈夫だと思う!友達に言っとくね。」 できるだけ明るく答えた。 さっきの赤くなってた拓海くんを思い出すと、また嬉しくて顔がゆるんでしまう。 そのままあたしの棟の入口まで送ってくれて、そこで拓海くんと別れた。 なんとなく名残惜しくて隣の棟の方に歩いていく拓海くんを見ていたら、 拓海くんは同じ棟の生徒の誰とも話したりせずそのまま校舎に入って行った。 今日はなんだかお風呂あがりのいい匂いもしたし、 髪の毛も濡れててちょっと色気があって・・・・拓海くんが男子クラスでほんとによかった。あれでモテないはずがない。 自分の教室につくと、もう麻美が来ていた。 部活の朝練があったのか、うちわでパタパタあおいでいる。 「おはよう、花音! 昨日大丈夫だった??」 「昨日?なにが?」 「雷、ちょうど花音が帰るぐらいじゃなかった?近くに落ちたよね。 あたしまだ校内で筋トレしてたけどすごい音だったからみんな大騒ぎだったよ」 「あ・・・・雷ね・・・・。」 麻美に話す、ちょうどいいタイミングかも。 「あの、実は昨日の帰りにね」 あたしは昨日あったことを麻美に話した。 自分のこういう話をすることが今まであまりなかったから反応がちょっと こわかったけど、麻美はすごく嬉しそうに聞いてくれた。 「そんなふうに助けてもらったらもう雷さまさまだね。」 聞き終わった麻美の第一声がそれで、あたしはなんだか安心した。 「よかったね花音。わざわざ学校の外で待ってるなんて、よっぽど話したかったんじゃない?その拓海くん。友達までダシに使ってさ」 「それでね・・・今日のお昼、一緒に食べないかって。 麻美も一緒に。 遠藤くんも連れてくるからって。どうかな・・・」 麻美は嫌がるかなと思ったけど、わりとあっさり いいよ と言った。 「正直、遠藤はあんまりお近づきになりたくないけど、拓海くんを見たい好奇心が勝ちました」 ほんと、麻美は正直者だ。
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