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なんで急に‥‥。
なんで遠藤くんは拓海くんに怒られたの?
拓海くんを見ると、バツの悪そうな表情をしていた。
「ごめん・・・。花音ちゃんと遠藤が話してること聞こえちゃって。これ以上遠藤に色々バラされたくなくてさ」
そう言いながら拓海くんは長めの前髪をきまずそうに指でねじっている。
ばらされたくないって・・・・
話すのを楽しみにしてくれてたとか、そういう話・・・ってことだよね。
「ううん、麻美が大丈夫なんだったらあたしは・・・その・・うれしいから。
あたしも拓海くんと話したかったし」
あたしは思い切って言った。
「そっか。よかった。」
拓海くんは、あたしの言葉を聞いて安心したようにやっと笑ってくれて、それから残っていた焼きそばパンの端っこをかじった。
「ほんとはさ・・・」
「うん?」
「本当は、焼きそばパンを先に食べてからあんぱん食べたかったんだよね。
あーなんで俺あんなにあんぱんの話引っ張っちゃったんだろ?
遠藤の言う通り、緊張してたのかも」
拓海くんが、笑ってる。
やっぱりうっとりするほどかっこいい。
黙って顔を見てるとぼーっとしてきちゃいそうで、あたしもつられるように笑った。
こんなかっこいい人が、なんであたしと話すのに緊張するのかさっぱりわからない。
もちろん、悪い気はしないけど。
「花音ちゃんは兄弟とかいるの?」
「ううん、ひとりっ子。拓海くんは?」
あたしがそう聞くと、拓海くんの顔が少しこわばった気がした。
拓海くんはあたしの事は色々聞いてくるのに、
自分のことを聞かれるとなんだか毎回きまずそうにするな。
「兄が1人いるよ。もう一緒に住んでないんだけどね」
拓海くんのお兄さん。どんな人なんだろう。似てるのかな。
それから、住んでる所とバイトの話をした。
拓海くんの家は、学校からあたしの家とは逆方向に一駅のところらしい。
アルバイトも、家の近くのガソリンスタンドで週に3回。ガソリンスタンドの制服姿の拓海くんを想像してニヤついてしまった。
あたしはさっきから気になってたことを思い切って聞いてみた。
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