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隆が校門まで来ると、俊樹が先にきて待っていた。
「テンボ、遅かったじゃないか」
俊樹が、隆の顔をのぞき込むと、にやりと笑った。
隆は思わず、メッセージカードをしまった胸ポケット押さえた。
「俊樹にも、だれにもいえない」
隆は、のぞき込む俊樹の顔を見ながら思った。
「なにがあったか、知らねぇけどよ」
俊樹は、隆に背を向けて、地面に置いているカバンを手に取った。
「テンボは、まっすぐ過ぎんだよ。いつでも」
俊樹が、隆に顔をむけた。
「でも、そこが好きなんだけどよ。オレなんか、すぐ、ひとの顔色ばかり見て。うまくやろうとして、考えて、しゃべって」
俊樹が笑った。
「ときどき。テンボがうらやましくなるよ」
隆はおもった。
「俊樹には、いえなくていい。いう必要もないのかもしれない」
俊樹が、校門を抜けて歩きだす。
「コンビニ、よってかえろうぜ」
「あぁ」
隆も、並んで歩きだした。
2人で、校門の外へと、歩きだした。
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