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笑い声がおこった。
「なにそれ」
美佐子が、おなかを抱えて笑っている。
足をばたつかせ、笑いをこらえきれずに、笑っている。
「ごめんね。ごめん」
美佐子は謝りながら、まだ笑っていた。
隆は、ただ呆然と、たっていた。
美佐子は笑い続けた。
そして、笑いが収まった美佐子が、顔を上げた。
「ごめんね。あんまり必死だったから、おかしくなっちゃって」
美佐子は、涙をぬぐった。
「わたし。絵ばかり描いて、くらいでしょ」
美佐子の顔は優しかった。
「そんなことないよ」
隆は、それを見ながら「美佐子はやっぱり明るいひとだ」と思った。
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