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最初の一粒から束の間。
それは一気に数を増してアスファルトを湿らせ、辺りは夕立のもたらす独特な匂いに包まれた。
……本当についてない。
住宅街では雨宿り出来る軒先もなく、急ごうとすれば水分を含んだスカートが足に纏わりつく。
このところ毎日のように降る夕立は、一雨来たなんて甘いものではなく、所謂ゲリラ豪雨と呼ばれる類いのものだ。
傘ですら役に立たない。
バケツをひっくり返したような雨。
雨を避けたいという思いとは裏腹に、ゆっくりと動くことを止めてしまった両足を見つめる。
ポタリポタリと鼻先から落ちる雨粒が足先を叩いているのを見ていると、沁みる瞼の奥に眉を寄せた。
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