蒼いルビー

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「すごい」 奇跡の瞬間を目にしたマリクが感嘆の声を漏らす。 確かにカミラクの奇跡の舞いはすごい。 でも、本当にすごいのは私のすぐ横にいる。 声すらあげず、ひょっとしたら、息すらしてないんじゃないかと思うぐらいに微動だにしないセリパ。 ただ、ひたすらにカミラクを見詰める姿は、そういう石像のよう。 そういえば、ルビーには『集中力』を高める作用がるという。 そして、『青色』もまた集中力を高める色。 ならば、その相乗効果を受けた蒼き紅玉の集中力を高める力はさぞかしすごいのだろう。 もっとも、そんな力に頼らずとも、舞い続けるカミラクも、それを見続けるセリパも集中しするぐらいに集中している。 性別や年齢どころか、そもそも種族が違う二人。 彼女達が出会い、今に至るまでの苦難は私の想像を遥かに超えるだろう。 それでも、互いを想い続け、決して離れなかった二人。 そんな二人の恋路を私はいつまでも応援し続けたいと思う。
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