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当たるか当たらないかのビミョーな距離。
ところで、今回のミッションは、私とマリクの二人だけ。
ゆえに、今この場にいるのは私とマリクだけなわけで、せいぜい、その周りに倒れる、無数の巨大蜘蛛の死骸ぐらいしかない。
音のしない静かな世界は、ある意味厳かと言えなくもない。
で、こういう状況下でマリクがどうなるかは想像出来る。
ボンッ!
まさにそんな音がしたかのように、マリクの顔が真っ赤に染まり、頭からは湯気が立ち上る。
「ちょ、そ、そういうのべつ、別に……」
しどろもどろになるマリク。
「私じゃ、いや?」
「いや、嫌とかそういんじゃなくて」
「じゃあ、嫌じゃないの?」
「いや、でも、そうそうのは……」
「分かった。私は何も言わないから、マリクが嫌じゃないなら、その証を頂戴」
そっと目を閉じた私。
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