プロテイ……プロローグだな。

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そんなことをしている幸助は、もちろん色々な意味でモテる。 弟子にしてくれと頼み込む者から、兄貴と慕う者、淡い恋心を抱く者、反対に嫉妬する者や幸助をよく思わない者、果てはテレビ局のインタビューまで来たことがあった。 そうこうしていると幸助は山の頂上にたどり着いていた。周りは断崖絶壁でどうやって登ってきたか分からないが、小麦色に焼けた引き締まった体から湯気を立たせながら目の前の絶景に目を向けていた。 しかも、丁度太陽が顔を出し眩しい光を幸助は体全体で浴びる。 「ふぅ、これだからランニングは止められない。さて、学校に遅れる。このまま走って帰宅するとしよう。」 そう言って振り向こうとした時、ふいに幸助が立っていた足場が崩れる。 咄嗟に崖に掴まろうと手を伸ばす。 「なん…だどッ?!」 が、力が入り過ぎたのか掴んだ岩を砕いてしまった為、そのまま崖下に落ちて行く。 普通、この様な場面に遭遇すれば100人が100人全員がパニックに陥り、死を覚悟するだろう。 しかし幸助は落ちながら腕を組み、 「…また、握力が上がったか。」 と、冗談交じりの現実逃避をするのだった。
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