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「ただいま」
仕事が終わり家の玄関のドアを開けると、パタパタとスリッパで歩く音がして。
「おかえりなさい」
可愛らしいウチの奥さんが笑顔で出迎えてくれた。
「今日もお仕事、お疲れ様」
「何かいい匂いするな」
「えへへ。今日はあなたが好きなハンバーグにしたの。それとポテトサラダ!」
照れたように笑いながら、妻がキッチンに戻って行く。
その後を追うとダイニングテーブルには見事なご馳走が並んでいる。
俺のお皿のハンバーグは妻のお皿のハンバーグより大きい。
きっと俺がハンバーグを好きなのを知っているから、大きめに作ってくれたんだろう。
「あー、でも先に風呂に入りたいかな」
「え、ダメー! お風呂は後で一緒に……」
そこまで言いかけて、妻が恥ずかしそうに「何でもない」と両手で赤く染まった頬を押さえる。
「え、一緒に、何?」
「もう、イジワルー!」
ぺチン、と俺の肩を叩き、拗ねたように頬を膨らませる。
その仕草がまた可愛くて愛しい。
「ちゃんと言ってくれないと解らないな」
そっと妻の肩を引き寄せて抱き締めると、俺の胸の辺りに顔を埋めた妻が、グリグリと顔を押し付けてきて。
「お風呂、一緒に入ろう?」
顔を上げ、上目遣いで誘ってきた。
ウチの奥さんは何て可愛いんだ。
こんなにも可愛い子と結婚出来て、俺は世界一の幸せ者だ。
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