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莉央&千夏
─莉央side─
私には大切な親友がいる。名前は千夏、バカみたいに一緒にいて、バカみたいに騒いで、バカみたいに笑いあった。
千夏はいつも、私を笑顔にしてくれる。
私は笑うのは、千夏が笑うからで、この時私はすごく幸せを感じるのだ。
「莉央!莉央!」
「ん?なに、千夏」
「見て見て!あの人すごいイケメン!」
「…えー。そう?私は…あっちの人がいいなあ」
「え!?地味っ!」
「地味とか…」
「「ぷ、…あはは!」」
千夏は思ったことははっきり言うし、素直じゃないし、俗にいうツンデレに当てはまる。
だけど、私にだけはいつも違う千夏だった。
それがいつも、私には擽ったくて、嬉しくて、だから、私も千夏にだけは素直でいたいって思った。
「千夏、これからもずっと友達でいようね」
「り、莉央…!照れるからやめてよ!…てゆうか、当たり前でしょ!」
「千夏、だーいすき!」
「り、莉央~…!」
千夏が顔を真っ赤にして、むすっとして私の名前を呼んだ。
だけど、千夏はそれから花が咲くみたいな、例えるなら向日葵みたいにあったかい笑顔を見せてくれる。
照れたように笑う千夏に、私も笑った。
それはまだ、眩いくらい輝かしい日常があった頃の話。
(千夏、どうして?)
(どうして、)
(あんなこと、言ったの?)
(ひび割れる時は)
(すぐそこまで来ていた)
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