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莉央&千夏 2話目
─千夏side─
莉央は私の大切な親友で、すっごく可愛い!あ、それは本人は自覚してないよ。
いつも笑顔でかわいい、しかも、お嬢様!みんなに優しいとなれば当然、男子にはモテたし、女子にはあんまり好かれてなかった。
それでも、莉央はかわいい私の大切な大切な親友には変わりのないこと!
そうだと思ってた。
だけど、私は怖くなった。莉央は私の友達に嫌われ始めた。
私はそういうの嫌いだし、嫌だけど、それが同じ部活で同じクラスの友達だったから、だから、付き合い上仕方なく莉央が嫌いだと嘘をついた。
最初は、すごく心が痛かった。だけど、慣れればどうってことはなかった。
事実、莉央とも友達とも揉めずに居られた。
だけど、いつもの部活帰り、いつもみたいに莉央の悪口を言った日、いつもみたいに莉央が一緒にいてくれるはずだった。
いつもなら、でも、莉央はあり得ないことにもう私を置いて帰宅していた。
私は怒ったし、電話もメールもした。
けど、繋がらない、返事が来ない。
だから、明日学校で、私はそんなことを考えた。
けど、次の日も、次の日も、莉央が学校に来ることはなかった。
所謂、登校拒否だとすぐに目立つ存在だった莉央は噂になった。それから、編入するって話も噂になって、それが現実になっていった。
どうしよう、私だ。私のせいだ。莉央を傷つけた。大切な親友のはずなのに、私は莉央の悪口言った。様は裏切ったのだ、莉央を。
「莉央って編入するらしーよ」
「まじ、清々するー」
「てゆうか、なんでアイツさ、電話取らないの」
「もう死んでるんじゃないー?」
そんな風に笑い者にして、許せなかった。一番許せなかったのは自分自身だったのに。
「…てかさ、死んだらどーすんの?そーゆーこと軽々しく言っちゃうの?馬鹿じゃない?ここ教室だけど、いいの?」
馬鹿なのは私だ。一番、愚かなのは私。一番、悪いのも私。
別の誰かじゃ、莉央の代わりにはならないよ。本当の私をわかってくれる莉央を私は最低な形で裏切った。
「あいたい、あいたいよ、莉央。ごめん、ごめんね」
本音を溢せる場所も今はひとりで部屋で泣くだけだ。
そこに、支えてくれる笑顔はいつもみたいにないのだから。
「あいたい、」
(それから数分後)
(少女は、親友宅を訪ねる)
(だが、)
(そこには──)
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