彼との再会

5/14
3人が本棚に入れています
本棚に追加
/14ページ
子供たちは一旦室内に入って、運動会の準備を始めたようだが、美穂さんと私は、レジャーシートの上で隣同士で話をはじめた。 私は、美穂さんと話をしながら、ちらちらと美穂さんのご主人の様子を伺っていたが、美穂さんのご主人は、何食わぬ顔でカメラやビデオの準備をしているようだった。 運動会がはじまると、私は宏と一緒に娘の応援に熱中していた。 娘がダンスをしたり、玉入れをしたり、かけっこをしたりするたびに、大きな声を出して応援した。 このため私は、いつしか美穂さんのご主人の存在を忘れていた。 お昼休みに家族でお弁当を食べるときは、美穂さんと私は時々会話を交わしたが、美穂さんのご主人と宏は子供と話しながら食事をしていた。 運動会が終わると、子供たちもそうだが、親も応援疲れしてしまったので、美穂さんの家族と私の家族は、それぞれお別れして帰宅した。 帰宅してから、私は美穂さんのご主人のことを思い起こしていた。 美穂さんから、ご主人の名前を聞いていないが、私は名前を知っている。 美穂さんのご主人の名前は「直樹(なおき)」で、彼と私とは幼なじみだった。
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!