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子供たちは一旦室内に入って、運動会の準備を始めたようだが、美穂さんと私は、レジャーシートの上で隣同士で話をはじめた。
私は、美穂さんと話をしながら、ちらちらと美穂さんのご主人の様子を伺っていたが、美穂さんのご主人は、何食わぬ顔でカメラやビデオの準備をしているようだった。
運動会がはじまると、私は宏と一緒に娘の応援に熱中していた。
娘がダンスをしたり、玉入れをしたり、かけっこをしたりするたびに、大きな声を出して応援した。
このため私は、いつしか美穂さんのご主人の存在を忘れていた。
お昼休みに家族でお弁当を食べるときは、美穂さんと私は時々会話を交わしたが、美穂さんのご主人と宏は子供と話しながら食事をしていた。
運動会が終わると、子供たちもそうだが、親も応援疲れしてしまったので、美穂さんの家族と私の家族は、それぞれお別れして帰宅した。
帰宅してから、私は美穂さんのご主人のことを思い起こしていた。
美穂さんから、ご主人の名前を聞いていないが、私は名前を知っている。
美穂さんのご主人の名前は「直樹(なおき)」で、彼と私とは幼なじみだった。
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