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幼稚園の運動会の日から、私は一抹の不安を抱いていたが、その不安は恐怖へと変貌することになった。
それは、1通のメールが私のスマートフォンに届いたことから始まった。
ある日、私宛に1通のメールが届いたが、メールの送り主は直樹からだった。
メールには、次のようなことが書かれていた。
「このメールが届いたら、香織はあの日からメールアドレスを変えていないということになるね!
香織は、僕の気持ちを知りながら、なぜ僕と分かれることを決めたのか、僕はいまだに理解できないよ!
僕は、今でも香織のことを心から愛しているよ!」
私は、このメールを読んで、背筋がゾッとする思いがした。
私と直樹は、小学校と中学校ではクラスが一緒で、高校ではクラスは違うが、同じ高校に通学していた。
お互いに恋愛感情を持って交際し始めたのは、高校2年生の頃のことで、大学を卒業する頃まで付き合っていた。
直樹は、付き合い始めた頃は優しかったが、徐々に私に対する態度が変わってきて、私を束縛するようになっていった。
また、直樹とは22歳の頃、結婚の話が持ち上がったが、直樹の両親から私は結婚相手としてふさわしくないと猛反対されたという過去がある。
直樹は別れたくないと言っていたが、最終的には、私のほうから直樹に別れを告げる結果になった。
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