彼との再会

その後も直樹から、会いたいというメールが届いたが、私はその都度断り続けていた。

でも、直樹からのメールを受け取るたびに、過去にあった直樹との思い出が少しずつよみがえり、徐々に断るのが辛くなっている自分に気が付いていた。

私が本当に愛した人は、誰なのだろう？

こんな疑問まで持つようになっていた。

それでも私は、今の家庭を壊したくないという気持ちを強く持とうと、心の中で決意していた。

しかし、私も人間だし、直樹はかつて私が愛した人であることに変わりはない。

直樹のメールを受け取るたびに、直樹の悲しい気持ちが伝わってきて、私の気持ちが揺らぎはじめていることは事実だった。

私は、このことを誰にも打ち明けることができず、ひとりで悩む日々が続いた。