993人が本棚に入れています
本棚に追加
「まあ、落ち着け。別に取って食いやしねぇよ」
分かるもんか。じゃあ、なんでわざわざその話をしたんだ。
「お前が俺を忘れてたらいけねぇから、話しただけだ。他意はねぇよ」
言うだけならどうだって言えるだろ。こっちには小さな子供が居るんだ。
ちらりと風太を見る。
「信じる信じないはお前の勝手だがな。別に俺は怪しい者じゃねぇ。お前の子供・・・でいいんだよな?」
確認するように問われ、思わずコクりと頷いた。
「お前の子供にも何にもしねぇよ」
「・・・・・・お前は超能力者か?」
「はっ?」
「何で俺が思っていることが分かるんだ?」
「何でって、そりゃ」
一旦言葉を切ると、ジッと圭太を見つめる。圭太は一歩後退り、何気なくを装いつつも、腕を振り払おうと試みた。
上手くはいかなかったけれども。
「顔に全部書いてあんぞ?」
「はぁっ?何だそれ」
「まんまだよ。お前怪しすぎってデカデカ書いてんだよ。残念ながら超能力じゃねぇんだな」
クククと愉しげに笑う男は、明らかに揶揄っている。圭太は憮然とした顔で男を睨み付けた。
最初のコメントを投稿しよう!