序章

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すると彼女は、もう夫婦間は破綻していると、「いったい、どうして?」と私が聞くと、その声は低く、まるで彼女の者とは思えない様な言葉を並べ始め、私は聞くに耐えられなくなり、いつの間にか電話を切ってしまっていた。 私はドキドキする胸を押さえてしばらく彼女が何を言っていたのか思い返していた。 彼女は、義弟から失踪する中で遺書を残していて、「義弟が死んでいたら「絆」って墓碑に刻んでやる。」と全ての事は義弟が悪いのだと言っていた。 彼女は自分が被害者であるとアピールしていた。 「なんだ?これは?」しかし彼女がこうなる事は初めてのことではなかった。 それは私達が初めて対面してから、お互いに紆余曲折あったが、結婚し、それぞれの生活が始まって直ぐの事だった東京でバンドマンとして働いている義弟のメキシコバンドの衣装をメッタザキにして、義弟が窮地に追いやられていると言うのだ、その手作りで、総刺繍の衣装は代わるものが無く、簡単に弁証出来る物ではなかった。 しかし彼女は悪びれることも無く、仕方ないと開きなおって、そういうヤキモチを妬かせた義弟が悪いと駆けつけた主人に言っていたといわれる。 そのバンドマスターに公演のキャンセルと衣装の弁証代を含めて500万を要求され、まるで893さんの様なバンドマスターを相手に主人がやっとのことで謝りを入れ、値引きしてもらいなんとか、宇都宮の公証役場で書類を作成し一件落着したように思ったのだったが彼女の怒りの矛先は主人となった。 自分がしたことを反省している感じでは一つも無いようなのでした。 すると義弟の以前、宇都宮で勤めていた会社で働けるようになり、宇都宮で生活出来るようにに、主人は色々考えた上アドバイスするのでするのでした。 反発していた義妹は仕方なく来ることに、何故か、その当時、私が医療事務で勤めていた病院のそばのアパートに引っ越して来たのでした。 ただ、元々、人付き合いが苦手だと思われる彼女に対して私はどう?関わることが出来るのかと気にしていたのでした。 すると、引っ越しが済んでまもなく、私の病院に義弟から電話があり、彼女が具合いが悪いので往診に来てくれないか?と、要望されたのでした。 気難しい院長をどう?来てもらうか?それに私も状況は分からないのである。 正直な話しをして、なんとか近くという事もあり、院長はお昼休みに往診してくれる事になった。
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