序章

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義弟のアパートに着くと院長と看護師さんを先に入れ、私は後から入って既に、院長は問診し、状況を聞いていた。 まぁ、部屋はこじんまりとしていたが、奥のベッドに彼女は横になっていた。 すると、義弟が彼女は摂食障害を抱えており、お米を置いておけないなど話していた。 「はぁ~?聞いてないぞ!そんな事??」私は正直、憤慨しておりました。 帰り道「本当にすみませんでした。」と、その当時、よっぽどのことでないと往診は受けていなかった為、私は恐縮していたのです。 「精神的なものが大きいのかなぁ?まぁ、薬出しとくから後で取りに来てもらいなさい。」と終了した。 ベテランの看護師さんに、「あれなら、病院には来られる範囲内だわね。」と言われてしまい、更に恐縮してしまいました。 薬を準備して、計算しておき、さっきの義弟宅での話しを思い出していた。 かなり、強い頭痛薬を買い、繰り返し飲んでいたので、胃を保護する薬と精神安定剤と風邪薬的なものが処方されていた。 午後の診療が始まると、さっそく義弟が保険証を持ち、やって来た。 私は薬を説明しながら、精神的なものが大きく、義弟にフォローするよう、そして、時には甘やかさないことも必要だと、余計な事を言ってしまったと後悔していたのでした。 それから、直ぐに彼女の妊娠が発覚するのだった。 全ては妊娠による反応だったと理解した時、納得できたが私は不安になった。 「赤ちゃんは大丈夫だろうか?」 私は看護師だった母に院長が出した薬が影響しないか聞いていた。 「絶対と言う事は言えないが、まず影響はないでしょう。」との事だったが、 その不安は的中してしまう事になる。 しかし、院長が処方した時期は、影響が出る妊娠初期は既に経過していたのでした。 その当時、義母は健在で初孫になる彼女の妊娠を喜んでいた。 しかし、先天的障害を抱えて生まれて来たのは女の子だった。 義弟と彼女は初孫が、こんな形で生まれて来たことを申し訳ないと言った。 義母はそんな事と喜んだ。 でも、私の母は「今、現代の技術は発達しているから、直ぐ分からないくらいに治るよ。」と言ったのでした。 しかし、それから後、彼ら夫婦は娘の為に、惜しむことなく最新の情報を集め、治療出来る事を望み、数回の手術治療を受ける中で彼らの娘は医師を目指すのだった。 本当にその努力は並大抵なものではないと、関心しておりました。
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