ふたつ花

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「ああもう、口開けて」 ふいに彼が言うので、 何も考えず阿呆のように ぱかっと口を開けたら、 ぽろっとレモン味の飴玉が 飛び込んできました。 なにこれ、 飴あげるから泣きやんでってこと? 私は子供? あれっ…… でもこの飴、この飴! 「――アッ、ごめん! それめっちゃ酸っぱいヤツだった」 ますますおろおろしていく その人がおかしくて、 口の中が酸っぱいのがおかしくて、 気付けば私の涙は止まって、 次はたくさん笑っていました。
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