第1章

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歴史の授業なんて、学生のテスト以外ではもう縁がないと思っていた。 卒業してからも教科書とにらめっこしなくてはならないなんて拷問だ。 武将関連が出尽くしているならば、新しい場所を発掘するしかない。 男性化したキュリー婦人だのライト兄弟だの、エジソンだのガリレオ=ガリレイだのノーベルだの野口英男だの。 もしかしたら、こんな変わり種も探したらいるかもしれないから…怖くて調べられない。 とはいえ、何かいいのはいないかな? 成り行きで入った仕事だけど今では少しだけ、やりがいも感じるし。 そもそも癒し系なのだから、偉人でなくとも良いわけで。 誰にしようかな? どんな恋が良いのだろうか? 恋ってしたことないから分からんわ。 簡単なら、原始人や縄文時代やら弥生時代にタイムスリップする話でもいいわけだ。 野性的で、格好良いかもしれない。 え…私はどうなのかって? いや…原始人と付き合ったことはないから分からない。 新たな鉱脈を探すのは大変だなぁ。 飲まないとやってられんわ。 半分やけになった私は、冷蔵庫からグレープフルーツサワーの缶を取りだし…シュワシュワの中身を一気にあおった。 酒が入り、明日はサングリアでも飲みたいと考え…反動の睡魔に身を任せる。 どうせ私は生涯独身だよ! 愚痴る私はそのまま眠りについた。
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