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別にコネを使うほど頭の出来が悪い
ワケではない。高校に行くのは余裕。
敢えて蹴ったのは、コネだと思われたく
ない僕の反抗期による抵抗があったから。
東卓高校…何処にでもある普通の
高校で取り立てて言う事はない。
敢えて違うとすれば、SAGAのファームに
なっている事ぐらいだろうか。普通だ。
僕のお祖父さん…近藤勲(いさお)は
ここでSAGAに携わる関係者…と聞いている。
父さんに訊いてもそれ以上でもそれ以下でも
なく、僕も殊更(ことさら)訊くことはない。
今は正月の雰囲気が残っている…とは言え
部活に汗を流す同世代も少なくない。
「東卓高校に行って、祖父さんを訪ねろ」
とだけ言われたので、職員室を探して訊く。
「勲さんの知り合いか何かですか?」と
普通の高校にしては綺麗な女性に聞かれる。
「そ…そうでふっ。用事がありますてっ」
僕も思春期の男の子だ。お姉さんに緊張する。
「…では、オーナーに確認を取りますね」
「お、おーなーぁ?」
オーナーとはファームの主や代表の事。
僕の聞き間違いか何かだと思ってしまう。
「知りませんか?勲オーナーの事を」
「僕もセイバードールには詳しい方ですが
SAGAのオーナーは別の方だと存じてます」
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