1人が本棚に入れています
本棚に追加
「…上手く言えないけど、好み…かな?
血統はどの娘も悪くないし、力は五分の
状態にある。最後は僕の好み、しかない」
勲さんは顎を手でさすりながら、黙考した。
僕は判決が下される、その瞬間を待った。
(一番体軸のブレが少ない娘を選ぶとは…
そこまでは分からないのか…それとも感覚か
適性は、雅弘よりは見込みがありそうだな…)
「雫、例の準備を」「かしこまりました」
阿吽の呼吸でやり取りする。想定内なのか?
雫さんは勲さんのアシスタントだろう。
オーナーの命令を忠実に実行し、
無駄な動きを見せない。手際もよい。
「優秀なファームに優秀なアシスタントあり」
というドール格言を地で行く、お手本のような
信頼にも近い連携が出来上がっているようだ。
雫さんのメイド姿を言わない方が良かったか?
(いつの間に着替えたんだろうか…)
「ユウジ、テストは合格だ」
「えっ!?ホントなのっ?!」
合格と言われて胸をなでおろした。
双肩の荷が降りたように軽くなる。
「ユウジはオーナーとしての素質もある。
どうだ?ファームを立ち上げてみないか?」
最初のコメントを投稿しよう!