セイバードールは人気者

2/7
前へ
/25ページ
次へ
年の瀬も迫る年末には、今年を締めくくる イベントが目白押しだ。本日もまたそれになる。 世間がクリスマスだとか、年明けの準備に 何かと急き立てられる頃に、恒例の大会がある。 「第46回、有馬杯の決勝戦まで 駒を進めたセイバードールはこの二人!」 テレビのアナウンサーは、会場に集まった 観客の熱気を伝えようとアツく語る。 大げさかもしれないが、実際はそれ以上だ。 「西ゲートから登場したのは、 SAGA所属・イシスだぁっ! 去年は桜花杯、梅花杯、菊花杯と制して 今年はエリザベス女王杯を制し現在4冠っ! 今年最後の有馬杯は決勝戦に相応しい相手! 最強を誇示する事が出来るのかぁっ!?」 ゆっくりと歩き観客の声援に答える。 学生の体操服に身を包んだ銀長髪の彼女は デビュー戦からその強さを顕示する。 「東ゲートから登場したのは、 カイザー所属・ユリウスだぁっ! 天皇杯春・秋、宝塚杯、ジャパンカップと 今年は無敗の四冠!最後の有馬杯を制して 史上二人目のグランドスラムを達成か!?」 痛々しい傷は準決勝による深手。 ジャージに身を包んだ黒髪短髪の彼は、 今年最強の注目ドールと言われ続けてきた。 だが、満身創痍だ。彼に勝ち目は薄い。 準決勝の試合を見れば、結果がみえる。
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加