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僕の決意は固まった。
ドールを愛して止まないサガだろうか?
「勲さんの援助があるなら、この話
喜んで引き受けたいと思う所存です」
「…そうか。期待しておるぞ…」
新規ファームを作られる事は同時に
自らライバルを増やした事に同義だ。
そこまでして僕に期待を寄せているのか?
ぃゃ…余計な詮索はすまい。器の大きなお方だ
新規ファームに勝てる算段もあるだろう…
「ユウジ様…ファームの名前はどうされます?」
矢継ぎ早に質問され息つく暇もない。
雫さんの優秀さに僕は平伏してしまう。
「雫。ユウジのファームアシスタントは
お前ではない。彼女に任せようと思う。
『かをり』を呼んで来い」
「…出過ぎた真似をお詫びします」
そう言うと、雫さんは一礼して部屋を出る。
「なに…新規ファームと言っても施設は
東卓高校の使用を許可する。名札があれば
部外者として扱わぬ。堂々と来るがよい。
亜矢虎以外は退室して良い」
双華、斧雪は一礼すると静かに退室する。
扉の「カチャッ」という音もさせないよう
僕が見ていなければ、消えたように去る。
名残惜しそうに亜矢虎に一瞥していたが
斧雪が「また会えるよ」と肩を叩くと
「そうだね」と双華は無言の会話をした。
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