1人が本棚に入れています
本棚に追加
「果たして、そうかしらね…」
僕の隣で一緒に観戦するアヤコが言う。
僕と彼女の出会いは中学時代まで遡る。
僕はいつものようにセイバードール闘技場
横の屋外モニターが設置してある場所に
行くと、僕と同じようにモニターを
食い入るように見つめる女性がいた。
それが、彼女・アヤコとの出会いだ。
僕・近藤ユウジは学校…ぃゃ…同世代でも
比類なきセイバードールファンと自負する。
SAGAファーム(セイバードールの育成所)
である、東卓(とうたく)高校に行けば
SAGA所属のセイバードールが高校生に
混じって練習をしている姿が観られる。
現在のトップドールにも数えられる
イシスに加え、次世代を担うアミ、
その次の世代である、かりんまで網羅。
アヤコさんは僕と歳が変わらないのに
僕と同じくらい詳しかったのをよく覚えている。
(アヤコさんも中学の制服を着てた)
毎週のように同じ場所で会っては
セイバードール談義を繰り返す。
端から見ていた同級生に「彼女か?」と
訊かれたが、僕は「同志だ」と返した。
アヤコさんはユリウスファン。
カイザーファームである、帝王会館まで
練習風景を観に行くくらいのファンだ。
最初のコメントを投稿しよう!