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「あっ!もしかして進路の事ね?」
アヤコさんは鋭い。僕の図星をいつも突く。
「なんだ。簡単な事じゃない」
僕の悩みを簡単だ。と言って退ける
アヤコさんは屈託の無い笑みを浮かべる。
「?」
僕は狐につままれたような顔をした。
「Youはセイバードール関係者にならないの?」
Youなどとどこぞの社長のように軽々しく
当たり前のように言うアヤコさんだった。
「…そりゃあ、出来ればそうしたいよ…
でも簡単な事じゃあないだろ?経験もない…」
他の例えで言えば、競馬の関係者は
親が牧場の主で~とか、騎手の学校を
出ていて~等それなりの下積みがある。
「なりたいっ!」とか言って簡単になれるなら
僕だって苦労してない。あと、観るのは楽しい
が実際に関わるのはちょっと違う気がするから。
「あら、野球関係者だって元は野球好きよ?
『好きこそ物の上手なれ』って言うじゃない?
やらずに損するくらいなら、やってみれば?」
アヤコさんは、そう言う意志の強い人間だ。
と言うのは見ていて嫌という程よく分かる。
友達も連れずに一人で出会った場所に居たのは
彼女のそうした意志の強さ、行動力の現れだ。
毎週のように現れる事からも周りを気にしない。
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