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「若菜、なにがあったんか調べてぇな」
元俺のスマホを眺めながら若菜が言った。
「自分のスマホ使えばいいじゃん」
あ、また間違えた。
関西弁だと自分って相手のことだった。
「はい、iPhone借りんでー」
若菜は俺のかばんのポケットからiPhoneを出した。
Siriに話しかける若菜を横目に、俺はいま起こったことを考えた。
あの爆発音になにか隠されているのは確実。
でも、手掛かりはなに1つとしてない。
俺は、頭を抱えた。
「特にニュースにもなってないよ」
ということは、政府や警察、俺の嫌いなマスゴミが結託して、情報操作を行っている。
少なくとも、俺と若菜になにか秘密がある。
「とりあえず、バス乗るのも面倒だから、丹生が丘の駅まで歩くか」
俺がそういうと、若菜は俺の手を引いて歩き出した。
なんだかんだで、若菜のフォローが上手かった。
でも、このスカートはやっぱり慣れない。
風がやたら足元を通り抜けて、寒い。
でも、夏はかなり涼しそうだった。
暑すぎるスラックスの存在を考えると。
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