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「丹生が丘まであと1kmやって」
若菜が振り返った。
そろそろ体力の限界だった。体力のなさに唖然とする。
「もう、限界」
俺は道にそのまま座りこもうとしてしまった。
そんな俺に、若菜がそっと手を伸ばしてくれた。
情けない。
男として。
「気を落とさんでいいから。いい?」
俺はそっと若菜の頬にキスをした。
若菜の頬に朱色が差した。
俺はtrip状態の若菜を尻目に、ローファーをはきなおした。
靴擦れに微かな痛みを感じた。
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