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「…。」
クエストを終わって、寮の部屋に帰ると、ゴミ箱が捨てられていた。
ゴミ箱の中には、悪口を書いた紙がぎっしり詰まっている。
「…ふぅ。」
全部消した。
「…『消えろ』。」
全部消したと思ったら一枚だけ残ってたから読んだ。
「…。」
息が荒くなる。頭に血が上って行く。
「…じゃあ誰か消してよ…私を…!」
「…。」
紙切れを消して、空中に座り込む。
頬を涙が伝って、消える。
…また頬を涙が伝うから、私は体を霧に変えた。
…消えることが出来るのなら、今すぐにでも消えてしまいたい。
…でも、十何年間、必死に頑張っても、私を消すことは出来なかった。
こんな風に体を霧に変えられるようになっただけ。
…ねぇ神様、『霧』を全部消したら、私も消してくれる?
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