10人が本棚に入れています
本棚に追加
/595ページ
― 2 ―
気が付くと、
鮮やかな眩しい光に包まれていた。
ここは……どこ?
心地好い光だった。
眼を開いているのか閉じいるのか…立っているのか浮かんでいるのか…不思議な感覚だった。
『…リク…ト……』
光の流に任せるように漂っていると、
不意に声が聞こえてきた。
女の人の声だった。
声の聞こえてきた方向に、
ゆっくりと振り返った。
眩しい光を背にゆらりと人影が映る。
その光が眩しくて顔は判らなかった。
ママ…?
出そうとしたが、
声に為らなかった。
『……陸…斗……』
人影は手を差し延べてきた。
手に呼ばれるように少年もも右手を出そうとした。
けれど、
影は陽炎が消えるようにふわりと消えてしまった。
後にはまた、
光だけが自分を包んでいた。
最初のコメントを投稿しよう!