序章

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― 3 ― ここは……どこ? 重い瞼を無理矢理開き、 見える範囲をよく見る。 少年と呼ぶにはまだ小さすぎる男の子の薄く開いた瞳が一瞬銀色に光った。 目に映ったのは真っ白い世界だった。 その場所が何処なのか、 小さな男の子にも解った。 自分の母親が良く見ていた医療ドラマに出てきたような器械が並んで、 器械から聴いた事のない音が部屋の中に静かに響いている。 器械から伸びる紐のようなものが自分の身体に繋がっているようだった。 男の子は自分が病院のベットの上に寝かされてる事に気が付いた。 ……びょういんだよね? なんでぼく、 びょういんにいるの?
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