序章

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声を出そうとして、 周囲に誰も居ない事に気が付いた。 ママ……ママはどこ?パパは?おにいちゃんは? 少年の胸はざわついた。 こわいよ……こわいよ ひとりぼっちじゃやだよ!! 急いで身体を起こそうとした。 ビリッと全身に痛みが走る。 いたいよぉ…おきられない……たすけて……ママ。 少年には自分の置かれていた状況が理解出来なかった。 痛さと恐怖で、 再び閉じられた目尻から涙が溢れ伝って落ちた。 こわいよぉ…。 ベットに寝ていた少年の耳に、 カチャッと小さくドアの開く音が聞こえた。 少年は痛さに耐えながらも、 音のした方向に体を向けようとした。
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