序章

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「目が覚めたの?あぁ、 駄目よ!起きちゃ!」 母とは違う女の人の声だった。 まだ年若い看護士が、 起きようとする男の子を止めた。 「ちょっと待っててね。 今、 お医者さん呼んで来るからね。 絶対に起きちゃ駄目よ」 看護士は開けた布団をかけ直すと、 病室を出て医師を呼んで来ようとした。 歩き出そうとした自分のナース服のスカートの裾に、 何かにひっかかる感じがした。
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