過去-3

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…それから先のことは知らない。 アタシがアイツにしてやれることなんて何もないって言うのは分かってたから、適当に悪口を言って別れただけ。 …けど、アタシはずっと考えてた。 アイツは一体何なんだろうって。 …何と言うか、悪いヤツじゃない気はしてたのよね。 なのに…それをアイツは認めようとしてないって言うか…今思うと、ヒーロー気取りだったのかもね。あれで。 …って言うか、最初から分かってたのかも。 何となく…アタシとアイツは似てるんだってこと。 アタシもアイツも、他人から嫌われていたけれど、それを利用してたって言うか。 嫌われてる方がまだ楽でいいって言うか。 …だって、嫌われてるんだから、ソイツのことをアタシが好きにならなくても誰も文句言わないでしょ? アタシのことを何とも思ってないんだから、アタシもソイツらのことを何とも思わなくたっていい訳だし。 それって、気を使わないでいい友達がいるのと大体一緒でしょ?
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