鬼食らう鬼

6/7
前へ
/119ページ
次へ
「うらぁ!」 聖夜が、子供向けの劇とは思えない豪快なパンチで、鬼を捩じ伏せる。 「はっはっはー!…次はどいつだ!」 あの子…完璧に台詞忘れてるわね…。 見てる人も、この劇が「桃太郎」だと言うことを忘れそうになっているんじゃないかしら…。 「…!」 …それにしても聖夜…顔が怖くなっているわ。 「…っ!(よけろよ!よけろよっ!ゼッタイによけろよっ!?!?)」 そんなに心配しなくても避けてくれるから…。 (と言うか、聖夜に当てるつもりが無いんだから、当たる筈も無いんだけど…そこを最後まで心配する辺りが聖夜よね…。可愛いんだけど。) 「おらおらー!行くぜ行くぜ行くぜーぁ!!」 目の前の敵に刀を刺したかと思うと、次の瞬間には後ろへ鋭い回し蹴りを繰り出し、何と無くバック転をしながら刀を回収して、口に咥えて飛び上がり、鬼を叩き斬る。 「ぁおーーーん!」 完全に狼男になってるわよ、聖夜…。
/119ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加