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『もうすぐ朱里の誕生日ですよね・・勿論分かっていると思いますけど・・俺が一生祝うつもりでいたんですけど、もう俺には無理なんで、替わりに貴方にその権利を譲りますよ というより伝言を頼みたい』
『何を?』
『俺も幸せになるから朱里も幸せにならないとか許さない、と・・お願いできますか?』
結城の心の広さを感心するとともに朱里が結婚を決めただけの男であったのだと改めて痛感した
『貴方こそ何でそこまで朱里のためにできるんですか?』
『昔・・・惚れた弱味ですよ』
愚問ですね、と結城は笑っていた
結城からの電話を切ると、今まで靄のかかった気持ちがすーっと晴れるようだった
『俺が女だったら惚れてるかもな』
やっと心が決まった
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