1話

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「異世界転生させてくれるんだろ?だったら便利な能力の方がいいだろ」 「あー、そうなのか?よくわかんねーけどまぁ、好きにやれよ俺の言う事はスルー安定だって友神も言ってたぞ」 それ本当に友達?と聞きたくなる事案。目の前の神に若干の不安感を抱きながら、矛盾に気づいた。 冒頭であんな事言ったのに何処かこの状況に熱中している自分があって、初対面のやつにそれを見透かされたのもあって羞恥心を抱いた。 それと共に、冷めた。醒めたと言い換えても過言ではない。 行った先で必ずしも戦いが、あるとは限らないのだ。 だったら時間停止とか悪戯道具やテストの一夜漬けにしか使えねえ。ぶっちゃけ無駄な才能だ。 超平和とも言われていないのなら、両立した能力にすればいい。 尻尾が揺らめいているのを見ながら思った能力を口に出した。 「召喚士」 「これは驚いた。何回かヒントをあげようかと思ったけど、1発で当てるとかお前、すごいよ」 どうやら褒められているらしい。 「まぁぶっちゃけ俺らからすれば安定感のないクソみたいな才能だけどね。召喚するより殴った方が速いし」 悲報、神、脳筋。 いや、事実なのかもしれないが。角と尻尾で連想されるとすれば悪魔かドラゴンだ。筋力特化してそうな感じが目の前の神にはある。若干ひょろいけどそんなの関係ないはずだ。 「ついでに他のは補助魔法士と騎乗士だ」 なるほど、能力的に限度が制御しやすい職種だ。例えば俺の選んだ召喚士なんかは召喚出来る生物のレベルを制御したり、数を制限すればいくらでも調整できる。 3種共に日常生活的にも良い影響がある職業だ。 「ご満足頂けたかな?」 大仰にキャラを作って返答を促している。そういえば何も言ってなかった。 「超便利過ぎてよい」 「いや、制限の話は忘れるなよ?」 忘れていた。 掌サイズのものしか召喚出来ないとか言われたら詰むわ。精神診療所作ってアニマルセラピーさせるレベル。
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