ホテル安心館

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 和典の存在も嬉しかった。  キヨ子は一人で仕事をしていた。 まだもう少し 頑張れると思っていた。 首には携帯電話がぶら下がっていた。 「何かあったらすぐに電話してよ、 どんなことでも」  瞳が首に掛けたのだ。  キヨ子は操作の仕方を忘れていた。  仕事が一段落してキヨ子はお茶を飲んだ。 足元でゲンが横になった。 「お母さん、 手伝うから、 それともお昼にする?」  幸子がやって来た。  キヨ子は満面の笑みをたたえて幸子を迎えた。  キヨ子の人生と命を懸けて守ったかぐや姫だった。 「お茶飲もうか」  二人は並んで座った。  すみません、 とフロントから声が聞こえた、 幸子が応対した。
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